MED東北2022

2022.1.29.sat.13:30まで

MED東北2022

MEDとは何か。

MEDはいのちの場から社会を良くしようと志すものたちが、想いと行動をプレゼンテーションに凝縮し、社会に発信する場です。2009年のスタートから300人以上のプレゼンターが登壇し、社会に影響力を持つメディとして機能しています。

MED Japan
MED Japan

なぜ東北なのか。

東北は県境を越えた一体感を持った地域です。かの震災の後、この一体感を持った地域は、「課題先進地」と呼ばれることもあり、様々な課題を抱えています。そうした課題に対して、東北のいろいろな様々な取り組みがなされています。今、この東北の場で、それらの情報を共有し、発信する、さらに東北の外の情報も得ることは、同じ東北という地域の中はもちろん、東北の外の地域にとっても大いに参考になるに違いないと考えます。

MED仙台
MED仙台
MED秋田
MED秋田

なぜこの人(プレゼンター)
なのか。

東北というこの大きな地域の中で、それぞれに自分たちの地域をよりよくしたいという強い思い、志を持って、様々な取り組みを続けている人がいます。東北の外でも、同じように様々な取り組みをしている人がいます。そうした人たちが一堂に会することによって引き起こされるであろう相互作用、相乗効果は、お互いにきっと今後につながるものを残してくれるはずだと考えます。


なぜいまなのか。

いまを存在するもの(presence)が、いまの自分の思いを語る…、それがプレゼンテーション(presentation)です。だから、プレゼンテーションは“いま”にしか存在しません。MED東北は生き物(Live !)です。いまはすぐにこれまでになり、すぐにこれからがやってきます。全身全霊を研ぎ澄ませて“いま”を感じる。いま、語りはじめたプレゼンターの言葉に真摯に耳をかたむける。いまがその時かどうかはわからないけれど、来た道を振り返った時に、きっとあの時の“いま”がその時だったとわかると考えています。


なぜオンラインなのか。

新型コロナウイルスは人とのコミュニケーションのあり方を再考することを余儀なくさせました。対面を補完する役割だったオンラインが主となりました。わたしたちはオンラインにもう一度出会い、新たなポテンシャルを実感しました。場所や時間という制約を超えて誰でもがつながることができる利便性は、医療、介護、福祉という分野でこれまでにない、多種多様なネットワークを生み出しました。伝える熱意を抱くものの思いが予想もつかないカタチや発想で育つ可能性を生み出しました。MED東北は会場の臨場感をオンラインから発展的に生み出す可能性に期待したいと考えています。


MED東北2022プレゼンター
MEDtohoku2022テーマ

第1部 東北から From TOHOKU

青森
青森県
橘 友博 合同会社くらしラボ 代表

橘 友博

TACHIBANA Tomohiro
合同会社くらしラボ 代表

半径1キロのヒーローを目指して

「地域」と言う言葉をよく聞きますが、よく考えると範囲や対象など具体的な意味が分かりにくいと感じることがあります。自分にとっての地域は、生まれ育った街、さらに自宅がある周辺の「地元」です。
くらしラボはその地元で介護事業を運営しており、大事にしているコンセプトが一つあります。
「あなたの“ふつう”を考える」
自分が嬉しいと思うことが他人も同じではないように、人それぞれ価値観が違います。もちろん人だけではなく、土地柄や生活習慣などの環境によっても“ふつう”は変わってくる。多様な価値観を受け入れながらその人、その土地の“ふつう”を考える。
言い換えれば誰もが居て良い居場所が地元の中にたくさんあって、なんとなく繋がることができること、困った時や悲しい時にそばにいられるヒーローのような存在になれるような活動を行っています。

>> 合同会社くらしラボ 代表

秋田
秋田
菅原 のぞみ

菅原 のぞみ

SUGAWARA Nozomi
市民活動団体おもしぇど・かだればぁ 代表
株式会社グッドラックプロデュース 主任介護支援専門員

で、結局、インクルーシブってなに?
福祉って? 地域って?
~ 「ひとつなぎ」を実践しておもうこと ~

『MED AKITA 2019』で、私の夫が「インクルーシブ」を題材に発 表をしました。その答えも曖昧なまま、2021 年2月に勝手に旅立ってしまい、 私の中に「で、結局、インクルーシブってなんなの!?」という気持ちが残りまし た。 ずっと福祉専門職と呼ばれる仕事をしていますが、「福祉」「共生」「地域」を 本当に私は理解しているのだろうか…。悶々としながら「福祉」と呼ばれる仕事 をしていた中で、偶然出会った福祉職ではない仲間たちと、軽い気持ちで市民活 動団体をつくりました。団体の名前は『おもしぇど・かだればぁ』。秋田弁で 「面白いよ、仲間になろう(語ろう)」という意味のその団体は、紆余曲折しな がらむくむくと成長しだしています。 団体の活動を振り返りながら、私の想う、インクルーシブ・福祉・地域を紐解い てみたいと思います。

>> MED 秋田2019「菅原睦実:インクルーシブって? オータムライスフィールドってなに?」

岩手
岩手
髙橋利果 未来かなえ訪問看護ステーション「すみちゃん」

髙橋利果

TAKAHASHI Rika
未来かなえ訪問看護ステーション「すみちゃん」

医療過疎地で「選択できる」ことの意味

「波の音が聴こえないと生きている感じがしない」と、東日本大震災で被災したがん患者が住み慣れた地域を離れる際に、涙を流しながらつぶやきました。この言葉は終末期がん患者が「家に帰りたい」と懇願した言葉の重みを痛感させられました。医療資源が乏しい地域の患者には最期の希望でも諦めてもらうことが多く、つくづく人は置かれた環境に影響を受けると思っていました。しかしこの被災者の言葉から、医療過疎地で不便さがあっても、見慣れた海、波の音を聴くことで生きていることが実感でき、住み慣れた場所に暮らし続けることの大切さに気が付きました。
私は医療過疎地に訪問看護ステーションを立ち上げたことで、医療資源の選択肢が増えることの重要性を感じています。医療過疎地と諦めるのではなく、1つでも多くの選択肢を1人でも多くの方に届けるために、これからも挑戦し続けます。

>> 未来かなえ訪問看護ステーション「すみちゃん」

山形
山形
株式会社瀬尾医療連携事務所 代表取締役 瀬尾利加子

瀬尾利加子

SEO Rikako
株式会社瀬尾医療連携事務所 代表取締役」

連携沼19年。たどり着いたのは「触媒的人材」という役割

私が医療連携に出会ったのは2002年。
山形県鶴岡市の中小病院に入職し地域医療連携室に配属となった私は、組織と職種を超えた仲間とともに医療、同職種・多職種ネットワークを立ち上げるうちに「連携沼」にはまりました。ある日、医療と介護の連携研修会に参加していた時に「公的サービスの職種だけで連携していても超高齢社会で起きている課題へは対応しきれないのではないか」と、ふと疑問に感じたのでした。
そこで、新しい挑戦として2017年には株式会社瀬尾医療連携事務所を立ち上げ、第3の連携技術である社会連携の基盤を作っています。
今回は、医療専門職の資格を持たない私がなぜ各種連携ネットワーク構築に関われたのか。この経験から、地域連携の立ち上げの場にいると便利な「触媒的人材 catalist」について一緒に考えてみませんか。

>> 株式会社瀬尾医療連携事務所

宮城
宮城
佐藤 彩那

佐藤彩那

SATO Ayana
産前産後ケアサービスDaisy MUSE施設責任者

産前産後ケアサービスDaisy MUSE

医学の進歩で妊産婦の死亡率は下がった一方、妊産婦の死亡原因で一番多いのは自殺です。また、妊産婦のうち、8〜9割の人が、妊娠・出産・子育てに不安を持つといわれています。命をかけて無事に出産しても、心を救えずに自ら命を経ってしまうケースがあるのです。私自身も、NICU看護師として多くの赤ちゃんやご家族をサポートしてきたにも関わらず、1人目の育児はとても辛く、毎日泣きやまない我が子を抱っこして、私も泣きながら主人の帰りを待つ日々でした。
育児放棄、虐待、産後うつ、周産期の自殺。これらをなくすためには、育児の文化をかえなければいけません。育児は耐えるものではなく、楽しむものです。子育ては孤育てではなくチーム戦です。これを実現するために地域で産前産後ケアサービスをスタートしました。
妊娠〜産後まで一貫したご家族のかかりつけスタッフとして、「子どもを守るためにまずはママを守る」という思いで活動しています。



>> 株式会社ピースコネクト


NPO法人虹色たんぽぽ 代表理事 鴫原さとこ

鴫原さとこ

SHIGIHARA Satoko
NPO法人虹色たんぽぽ 代表理事

地域で活動するコミュニティナース

コミュニティナースとは、人の暮らしの身近な存在として、毎日の嬉しいや楽しいや心と身体の健康と安心を、地域の人と一緒に作っていくお節介させていただくナースのこと。医療従事者や仲間たちです。そしてそれは、生き方であり在り方です。
東北の湘南と呼ばれる亘理町に【NPO法人虹色たんぽぽ】を立ち上げたのは2019年でした。東日本大震災を経験したこの町にはコミュニティナースが活動することは必要不可欠な状況でありました。現代では希薄となっている隣近所を支え合うような元気で優しい偉大なるお節介文化の提供者となるような活動を持続的に構築しなければと考えての決心でした。
私自身、震災を経験し、仮設住宅に3年暮らしました。当時の仮設のご近所さんとは、「辛い経験をした子供達が大きくなった時、仮設暮らしは楽しかった。と笑って自信を持って生きていけるように、母ちゃん達が笑っていこうね。」こんな希望という誓いのようなお話をしたことを覚えています。仮設を出てからは被災地でのコミュニティ再構築には限界がありました。子供たちを幸せするには、お母さんたちが元気で健康であること。そのために、楽しいことを一緒に楽しめる事が大事です。そして、小さい子供を抱えたお母さんが孤独な育児とならないこと、お年寄りが孤独にならないこと。私たちは、少しずつ焦らずに、その人のペースに合わせて伴奏する思いで活動を続けてくることが出来ました。 虹色たんぽぽは、「共感できる安心な居場所、集まれる場所」として開設しています。

>> NPO法人虹色たんぽぽ

福島
福島
霜村真康(Shimomura Shinko)

霜村真康

SHIMOMURA Shinko
涅槃山菩提院 副住職

対話でひらく未来の扉

東日本大震災・原子力災害後、福島県、殊に浜通り地域は前例のない渾沌とした状況に置かれ、人びとにさまざまな分断をもたらしました。このような状況下で、継続的な対話の場こそこの地域には必要なのではないか? 異なる価値観や違いはむしろ宝ではないか?と、出会った仲間たちと語り合いました。そして対話の場づくりを最低30年続けてみよう、この場で語られたことをアーカイブし続けようと、2012年に「未来会議」の活動が始まりました。
この場の対話で大切にすることは、すぐに否定しない、断定しないこと。
2021年までに、大きな対話の場は28回。関連イベントは100回以上開催。多い時は120名を超える方々が一堂に会して、対話を重ねてきました。この場で出会った人同士で、さまざまな新しい活動も生まれました。
僧侶の立場で発起した「未来会議」のこれまでとこれからについて、お話しさせていただきたいと思います。

>> 涅槃山菩提院

緊急登壇 Emergency stage

守上 佳樹 KISA2隊(Kyoto Intensive Area Care Unit for SARS-CoV-2対策部隊)隊長

守上佳樹

MORIGAMI Yoshiki
KISA2隊(Kansai Intensive area care unit for SARS-CoV-2対策部隊)OYAKATA

第2部 東北へ To TOHOKU

見藤 大

見藤 大

MITO Masaru
患者・システムベンダー
メディカルケアステーション運営事務局

コミュニケーションの可能性

地域包括ケアの名の元、医療介護業界でもICT・IOT技術が世の中に溢れるようになり、皆さんの身近な業務ツールや機器にも「機器連携」「Bluetooth」「クラウド」「プラットフォーム」「シングルサインオン」等、先進的で魅力的な言葉が並んでいると思います。
さて、この国が進めた地域包括ケアは、コロナ禍において機能したのでしょうか。ICT・IOT技術はコロナで苦しむ患者さんに届いていたのでしょうか。
コロナ禍で混乱する中で垣間見たのは、目の前の命を救う強い思いと志、そこに関わるコミュニケーションと、少々のICT・IOT技術でした。
医療介護業界におけるICT・IOT技術は社会インフラ性を帯びなくてはなりません。中でも特に重要なことは、日々の行動や意識の中で、自然と誰しもが利用できる、活用したくなるようなリアリティを持つことです。第6波が危ぶまれる中、地域でどのような対策が実施されているかご紹介します。



>> メディカルケアステーション


東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科老化制御学系 口腔老化制御学講座摂食嚥下リハビリテーション学分野教授 戸原玄

戸原 玄

TOHARA Haruka
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科老化制御学系
口腔老化制御学講座摂食嚥下リハビリテーション学分野教授

摂食嚥下障害の評価と訓練の実際

誤嚥性肺炎の原因となる誤嚥は摂食嚥下障害により起こりますが、特に通院できない患者への対応が大事です。我々の過去の調査によると、食べる機能があるのにもかかわらず経管栄養のままでいる方や、食べる機能が低下しているのにもかかわらず普通の食事を摂取している患者がたくさんいらっしゃいました。摂食嚥下リハビリテーションを考える際の視点としては、“訓練”という目線ではなく、退院後安定した生活を送るにあたって栄養摂取方法を見直すという視点が大切で、退院した後改めて腰をすえてやっていくのが大事です。 今回は過去に行った調査などから経口摂取を支えるためにできること、そして近年我々が行っている研究内容からこれからの展望を考えてみたいと思います。

>> 東京医科歯科大学 摂食嚥下リハビリテーション学分野


秋山和宏

秋山和宏

AKIYAMA Kazuhiro
(一社)みんながみんなで健康になる 代表理事
東葛クリニック病院 副院長

医療プロボノが社会を変えていく

産業革命以来、約200年間の社会の進歩は顕著です。この近現代と呼ばれる時期に社会は大きく変わりました。その原動力は何だったと思われますか? 私は石油に代表される地下資源の発見だと考えています。アメリカ合衆国のペンシルヴェニアで油井が開発されたのは1859年です。では、これからの社会を変えていくのは何だと思われますか? 私は人間の心だと考えています。ある意味、地球環境を犠牲にしながら世界の人口爆発が起きているわけですが、現在、78億人に増大した人間の心こそ、豊饒な新資源だと信じています。このMEDはこの心的資源を社会に開くための油田のような社会装置です。そして今回、医療プロボノという新たな社会装置を提唱したいと思います。機械論パラダイムから生命論パラダイムへの移行期にあって、「いのちの場から社会を良くする」仕組みを共に構築していきましょう!



>> みんながみんなで健康になる

特別講演 Special stage

長尾和弘

長尾和宏

NAGAO Kazuhiro
長尾クリニック 院長

「日本コロナ」の不都合な真実

新型コロナウイルスによる日本社会の混乱は、現在も続いている。筆者は当初からその最前線にいるが、当初からこの騒動はマスコミによる情報災害、人災であることを書籍などで発信してきた。

この2年間を一言で表現するならば、「自爆政策」の連続である。しかしひとりの町医者が「空気」に異を唱え、自らの思考を貫くには数々のハードルが存在するので、それと闘う勇気も必要である。僕が見ている風景は、多くの皆様が見ている景色と全く違う世界だ。

そんな「日本コロナ」の不都合な真実を語ってみたい。



>> 尾クリニック


MED 東北 2022 概要

COVID19対策

  • 会場参加型ではなくオンライン参加形式
  • 登壇者(プレゼンター)は原則として個別にZOOM参加
  • スタッフは原則として個別にZOOM参加
  • 集合する場合は検温およびマスクを着用し換気とソーシャルディスタンスに配慮
  • その他、社会情勢の変化に応じた配慮をする

日時:2022年1月29日(土曜日)13:30から17:00まで Zoom ウェビナーの入室は13:00からを予定

プログラム

  • 13:30 オープニング
  • 13:45 第1部東北から
  • 15:15 休憩
  • 15:30 第2部東北へ
  • 16:50 クロージング
  • 17:00 閉会
  • 17:30 After Session(交流会)プレゼンターと参加者が交流できるZoom飲み会!を予定しています。

参加方法:オンライン(Zoom ウェビナー)

参加費用:無料

定員:3000名(申し込み順)

主催:MED東北2022実行委員会(NPO法人由利本荘にかほ市民の健康を守る会、ささかまハンズ、一般社団法人みんなが みんなで 健康になる)

協賛

協力:エンブレース株式会社 ※MED東北はエンブレース株式会社に対して本イベントの運営事務を委託しており申込者への事務連絡などは同社が行わせていただく場合があります。

MED 東北2022は「赤い羽根共同募金」の助成を受けて実施しています。

赤い羽根募金

MED 東北 2022 事前参加登録

事前参加登録は終了しました。

たくさんの皆様からのお申し込みをいただき厚く御礼申し上げます。

なお、MED東北2022のプレゼンテーションは後日、MED Japanホームページで掲載の予定です。